ビジネスというのは、つくづく矛盾のかたまりだと思います。
良くある矛盾というのは、下記のようなものです。
- 顧客になるべく安くサービスを提供したいが、安すぎると利益が確保出来ず自分達が困る
- 顧客ごとにピッタリな料金プランを複数用意したいが、選択肢が多かったり複雑だと、顧客に理解されずにそもそも利用されない
- 一人一人の顧客に向き合いたいが、一人に時間を使い過ぎることも出来ない
- 新事業に投資を行いたいが、リソースに限界がある
- 早く意思決定したいが、視点の抜け漏れを無くしたい
- 社内でどんなアクションが行われているか詳細に共有したいが、MTGが多いと稼働時間が下がる
- 稼働時間を上げたいが、コーチングや教育の時間がないと、中長期の生産性が下がる
ビジネスのサイズが大きくなればなるほど、個人としてのスキルや経験が高くなればなるほど、矛盾は大きくなっていきます。
ビジネスを成功させ、前に向かっていくには、この矛盾を解決しないといけません。
多くの場合、解決策は
「A or B」
という二者択一のものではなく
「A and B」
という両取り、もしくはバランスを取った折衷案になります。
矛盾が生じている時点で、どちらの要素も大事だからです。
では、どのように最適な解決策を探っていけばいいのでしょうか?
それには「数値化」が必要になります。
色々な解決策をデータをもとに数値化し、シミュレーションします。
シミュレーション結果から、自分達の理想に一番近い解決策を探っていくのです。
数値化がないと「べき論」の戦いになるため、いつまで経っても結論が出ません。
どの「べき論」も、正しいからです。
ビジネスにとって必要なのは「誰が聞いても正しい方法」ではなく、「自分達の事業、自分達のチームにとって最適な方法」です。
そして、なぜその方法が自分達の事業にとって最適なのかを探れるのが「数値化」なのです。
そして数値化から導きだされた解決方法を、わかりやすく表現し、スピーディーに実行すれば問題は解決します。
逆に、解決方法として絶対に避けたいのが「誰かのせい」にすることです。
誰かのせいにすれば、驚くほど簡単に、問題から目をそらすことが出来ます。
「◯◯は分かってない」「◯◯が悪い」「◯◯が仕事をしていない」「◯◯はもっと残業をするべきだ」と言えば、溜飲を下げることが出来ます。
しかし、それでは問題は解決出来ません。
問題の背景には「矛盾した事象」が転がったままだからです。
誰かのせいにすることは、問題を放置するだけでなく、組織のモラルを下げ、全体の士気を下げます。
「誰々が悪い、ではなくなぜそうなっているのか?」を考えること。
数値で解決策をシミュレーションすること。
そして一人一人が、問題解決に向かってアクションすることがビジネスを成功させます。
施策の結果を数値で追跡する
もう一点、押さえて置きたいのが、施策の結果を数値で追跡することです。
事前にシミュレーションした最善策が、果たしてどのくらい効果を上げているのか。
かけている工数に対して、どのくらいの成果を持たらしているのか。
その振り返りをするために、施策は必ず数字の計測をセットにする必要があります。
取り返しがつく施策であれば、施策は失敗しても何の問題もありません。
そしてなるべく早く撤退するために、施策をやる際には「どうやって結果を計測するか」をあらかじめ考え、仕込んでおく必要があります。